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2012年12月9日日曜日

自然な欲求に従って食べよ!ただし、摂食障害などの場合は除く

「「体が欲するままに食べる」が最強の健康法ってホント?」
というニュースというか話題に反応してみました。確かニコニコニュースで見かけました。

(記事全文は本エントリーの一番下に引用してあります。)


内容は、タイトルのとおりで、それがホントなんです!っていう話なんですが、ざっくり言ってみると、


  • こんにち常識となっている、食事の徹底管理健康法は、かえってストレスのもと。
  • 欲求に従って食べても、長期でバランスがとれるから大丈夫。
  • 痩せすぎモデル起用見直しの動きもあるよ。


って感じでしょうか。


すっかり一般化した「常識」に対するアンチテーゼですね。

まあ、常識と逆なだけに、「ウッソだーぁ」「そんなわけないだろ!」って人もけっこういるみたいです。

確かにぱっと見では、

  • だって栄養バランス ガー
  • 本能のままに任せたら大変なことになるんじゃないか!?

とか反応したくなります。

やっぱりほら、僕ら現代人ていうか近代人は、理性中心主義の「近代的価値観」ってヤツを刷り込まれてきてるから、どうしてもね(^_^;)。

でもよくよく考えてみると、
いくら肉が好きだ、ジャンクフードが好きだって言っても、そんなにそればっかり大量には食べられないよなあとも思います。

飽きるというか、ああ油もの取りすぎた、重い、胸焼けが…とか、ちゃんとサインが出ます。

多分この説で一番重要な点は、

長期で、トータルで辻褄が合えばいいじゃない

ということじゃないでしょうか。


記事によると、

幼児に好き勝手食べさせて観察したところ、
一日では食べ方に偏りがあったが、
一週間後の栄養摂取量を見ると、合理的なバランスで食べていたことがわかった。

「・・・つまり、人間の体はそのときに必要な食べ物を摂取するようにできているということ。極端な好き嫌いや体の変調がなければ、体が欲するままに食べて大丈夫なんです」(高須克弥氏)
ということです。

ただ、この

「極端な好き嫌いや体の変調がなければ」

という条件は大事ですね。



そういえば、これと同じような話を以前本で読んだことがあります。

泉谷閑示、2006年、『「普通がいい」という病』、講談社。

という本からからちょっと引用してみます。

「頭」に入った健康に関する知識は、それが正しいものであったとしても、硬直化したマニュアルとして用いられた場合には、逆に健康を遠ざけることになりかねません。ですから「頭」主導の健康法よりも、その都度「身体」の声に耳を傾け、なるべくそれを尊重するような柔軟性を持つことこそ、最善の健康法と言えるのではないでしょうか(泉谷、2006年、p.89)。

また、無理して食べなくてもいいということも強調されています。

  • 一日三食必ず食べるべき
  • 朝食は必ず摂るべき
  • 風邪で食欲なくても無理しでもて食べるべき

といった、ほぼ常識になっている説に対しても

…本来無理に摂る必要もないはずです。…(中略)…「身体」は空腹感によって、食べるべきか否かを教えてくれているのですから(泉谷、2006年、p.89)。

ウイルスや細菌と身体が戦う時には、本来、空腹状態が必要です。空腹状態は、白血球の貪食能を高め免疫力を増強する性質がある。ですから食欲がなくなるというのは、実は理にかなったことなのです。自然の動物も、病気の時には食べず動かずじっとうずくまって回復をはかります(泉谷、2006年、p.89)。

と反論しています。
(といっても、これだけ読んで「病気の時には絶対食べない!」ってやって、逆に弱って悪化させるのはいけませんよ(^O^;)。飽くまで、食べたくない時は食べなくていいし、食べたいときに食べたらいいよって話なんで)

自然な食欲というものは、決してカロリーだけでなく、その時々の「身体」に必要な食物の種類も教えてくれますし、適切なものを食べたときには「おいしい」と感じるものです(泉谷、2006年、p.97)。
やはり、「おいしい」というサインは重要なようです。


それ以前に、感覚を取り戻すために生活全般のストレス低減を


ただ、食事以外の日常生活でのストレスによって、
そもそもこの「おいしい」や空腹感、満腹感が鈍ってしまって適切に食べられない人がいるという問題もあると思います。

記事で問題になっている、行き過ぎた食事管理によるストレス以前に、
「やけ食い」や「食べたくない」を引き起こす生活全般のストレスを減らすべし!ということも付け加えねばなりますまい!

環境と考え方、内外両面からのアプローチが必要でしょうね。



さて、以下は過剰コントロールによる問題の最たるものですが、

モデルとダイエットと摂食障害


広告が作り出す理想像っていうのは、強力な力を持っていて、ときに極端に作用するもの…。

広告のメッセージの強さと受け手の真面目さが相まって、極端な場合、
「○○にあらずんば人にあらず」
みたいな脅迫的メッセージとして機能してしまい、
なんとしてもそれに沿おうとする強迫観念に基づく行動を起こさせてしまうこともある…。

また先ほどの本から引用してみます。

ダイエットでは、自分のあるべき身体イメージを「頭」が独断で設定し、食べるものも運動も全てカロリーの数字に換算し、体重計の数字を目安にコントロールするわけですが、これは、数字という「量」に束縛された状態だと言えるでしょう(泉谷、2006年、p.97)。

摂食障害になりやすいのは、「自分はこうあるべきだ」という「あるべき自己」に向かって強力に自己コントロールを行うタイプの人です。褒められることはあっても問題視されることのない「強い意志力」、それこそが問題なのです。ですから、ダイエットを始めてもすぐ挫折するという人には、まずこの問題は起こりません(泉谷、2006年、p.99)。

勇気がいることかもしれないけれど、
  • 外の基準ではない自分をしっかり持つ
  • 外のメッセージをあまり真に受けない
ということが、身を守ることになるんだと思います。




(大好きな本です。何度も何度も読み返しています(^^))



さてさて、長くなってきたのでそろそろまとめないとな(^.^;


オルタナティブ歓迎


というわけで、この「欲するままに食べる」説、個人的には賛成です。
ただ、他人に押し付ける気は全く無いですよ^_^。

常識というか理論に従って自分を管理することをゲームとして楽しめる人もいらっしゃるだろうし。

ただ、どうしてもそういった
  • 「常識に沿った縛りプレイ」が苦手
  • そういうことしたくない!
  • ガチガチコントロールに疲れた
という人には、別の道もありますよってことで、朗報というか、そんな気がしますね。


というか、両立も可能じゃね?


現代の「常識」は、短期(一日あたり)でコツコツバランスをとっていこうという話なんだと思います。

そういう意味ではこれらのアプローチ、二者択一ではなく、両立も可能では無いでしょうか。

飽くまで「常識」は、知識として知っておきつつ、自分の欲求を大事にする。短期だけでなく、長期の視点も持ちながら、焦らず、恐れず、惑わされず、罪悪感を持たず、ゆったり構えて生活するのがよさそうです♪










元記事全文引用↓

「体が欲するままに食べる」が最強の健康法ってホント? 

日刊SPA! :記事一覧 2012年12月2日(日)9時03分配信

◆現代人が誤解しがちな“食と健康”の知識

「一日一食のような健康法が支持される背景には、“肥満=悪”とする現代人の思い込みがある」。我々が誤って解釈しがちな健康知識を高須氏が詳説。

【誤】徹底した食事管理が健康&若返りの秘訣

●若々しく元気に過ごすには、体が欲するままに食べてストレスをためないこと!

「健康や若返りのために食事制限や断酒を実行しても、なんの効果もありません」と断言する高須氏。なぜなら、現代人にとって健康の大敵は“ストレス”。ストレスを撃退するには、“食べる”という本能に規制を加えてはならないというのだ。しかし、それでは栄養バランスが乱れそうだが……。

「興味深い実験結果があります。さまざまな食べ物を並べ、幼児たちが食べる様子を長期間観察したところ、ある日はパンだけ、ある日はお菓子だけと、食べ方にはムラがありました。でも、1週間後のトータルの栄養摂取量を分析すると、合理的なバランス食を取っていたことが判明したのです。つまり、人間の体はそのときに必要な食べ物を摂取するようにできているということ。極端な好き嫌いや体の変調がなければ、体が欲するままに食べて大丈夫なんです」

“栄養の常識”に従って規律正しく食べていても、そのストレスで各器官の働きが鈍ってしまっては元も子もない。体の声を信じて、好きなものを食べたいときに好きなだけ食べるべし!

◆ファッション業界に変化!?美の基準も「やせすぎはアウト」に

 ’06年にブラジル人モデルが拒食症で死去した事件以降、ファッション業界では“やせすぎモデル問題”の議論が過熱。「スリムすぎるモデルや女優を称賛するのはいけないのではないか?」というふうに、潮流が変わり始めているという。

 それを象徴するのが、ファッション誌『VOGUE(ヴォーグ)』が今年5月に発表した各国編集長による共同声明。不健康なほどやせたモデルに憧れた読者が無理なダイエットに走ることを防ぐために、「摂食障害のように見えるモデルを起用しない」など、女性の理想的なボディのイメージをより健康的なものにする編集方針を打ち出したのだ。

 『VOGUE』の影響力の大きさを考えると、巷の女性がダイエットに執着しなくなる日も、もしかしたら近いかも!?

【高須克弥氏】
’45年、愛知県生まれ。医学博士。美容外科「高須クリニック」院長。近著に話題の健康法の間違いに鋭く切り込んだ『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)


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