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2013年4月10日水曜日

もう一つ。「温泉水滑らかにして凝脂を洗う」を覚えた。


そういえば、『草枕』でもう一個。

「温泉水滑らかにして凝脂を洗う」

白楽天の「長恨歌」の一節らしいです。
あー、なんか高校の頃、国語とか世界史で出てきたような…。

ちなみに全文はWikipediaの「長恨歌」のページで読めます。(詩にしては長い…(;´∀`))


※一応注意
白楽天=「はくらくてん」=唐の詩人・白居易(はくきょい)のことですよ!
(くれぐれも「しろらくてん」ではありません。きれいな三木谷さn…ハイ、スイマセンでしたっ_(._.)_ )

……。

で、

「温泉水滑洗凝脂」


それにしても「凝脂」てww

凝脂というのは、楊貴妃のムチムチプリンプリンの白いお肌のことを指すらしいんですが…
なんだかなー…

なんか現代人の感覚からすると、ちょっと酷い単語に見えてしまってしょうがないw。
(いや、「現代人の感覚」とか勝手に一般化してスイマセンが)
つい、
「凝脂」って、ラードかよ…とw

……。

まあ、昔の人の感覚ではムチムチプr…(ry だったんでしょう。

時代が変われば言葉も変わるってことで。


あ、『草枕』、自分は家に眠ってた古~い文庫本で読みましたが、青空文庫でも読めます。
なかなか骨の折れる作品でしたがw(ちょっと前だったら絶対放棄してた自信があるw)
『坊ちゃん』とか『吾輩は猫である』とかとは全然毛色が違いますから、読む場合は覚悟してどうぞですw

以下は、「えあ草紙」で綺麗な縦書き表示にしたものです。
※なんかブラウザ、Chromium系(ChromeとかIronとか)だと調子悪いみたいなので、他のブラウザでどうぞ

夏目漱石、『草枕』



2013年4月4日木曜日

新しい言葉を覚えた。「蜀犬吠日」


夏目漱石の『草枕』を読んで、新しい言葉を覚えた。

「蜀犬吠日」と「呉牛喘月」。


(追記)
やべ、読み方かくの忘れてたw

  • 蜀犬吠日=「しょっけんはいじつ」
  • 呉牛喘月=「ごぎゅうぜんげつ」

です。
(追記終わり)


意味は、、、

「蜀犬吠日」または「蜀犬日に吠ゆ」(しょっけんひにほゆ)

山がちな蜀の国のあたりは、雨とか霧とかが多くて太陽が出ることが少ない。なので、まれに太陽が出ると犬がビビって、警戒して吠えることから、

自分の無知を棚に上げて、それが正しいものであっても疑って非難すること。
とりあえず自分が知らない、わからないこと=悪だ!!という態度のこと。


「呉牛喘月」または「呉牛月に喘ぐ」(ごぎゅうつきにあえぐ)

南方の呉の国あたりの水牛はいつも暑さにあえいでいる。そんな水牛が、月を太陽と見間違って、早合点して「またかよー」「もう勘弁してー」とヒーヒー(モーモー?)言うことから、

疑心暗鬼と取り越し苦労で((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル すること。
もう全てが怖いよ!!と。

だそうです。(自分なりに意訳しましたが、だいたいあってるはず)

うう…なんか、どっちも身につまされるゼww…orz


で、『草枕』の中でこの言葉が出てくる箇所をちょっと引用してみます。
いきなり会話だからアレなので、セリフの前に登場人物名を付けてみました。
(「余」=主人公)


余「どこで御逢いです、東京ですか」
和尚「いやここで、東京へは、も二十年も出ん。近頃は電車とか云うものが出来たそうじゃが、ちょっと乗って見たいような気がする」
余「つまらんものですよ。やかましくって」
和尚「そうかな。蜀犬(しょっけん)日に吠(ほ)え、呉牛(ごぎゅう)月に喘(あえ)ぐと云うから、わしのような田舎者(いなかもの)は、かえって困るかも知れんてのう」
余「困りゃしませんがね。つまらんですよ」
和尚「そうかな」


全編にわたって、すごい気の利いたやり取りが交わされるんですが、中でもここらへんの会話が一番好きかも。
ここに引用はしてませんが、こういうことが言えちゃう大人になりたいはーwと思ってしまう会話がいくつかありました。


もいっちょ、寺から帰るシーンの引用。

和尚「鳩ほど可愛いものはない、わしが、手をたたくと、みな飛んでくる。呼んで見よか」
  月はいよいよ明るい。しんしんとして、木蓮(もくれん)は幾朶(いくだ)の雲華(うんげ)を空裏(くうり)に(ささ)げている。寥(けつりょう)たる春夜(しゅんや)の真中(まなか)に、和尚ははたと掌(たなごころ)を拍(う)つ。声は風中(ふうちゅう)に死して一羽の鳩も下りぬ。
和尚「下りんかいな。下りそうなものじゃが」
  了念は余の顔を見て、ちょっと笑った。和尚は鳩の眼が夜でも見えると思うているらしい。気楽なものだ。

召喚失敗ww

だけど、この寺のシーンいいですよ。
こういう漢文ぽいカッコイイ描写がちょいちょい出てきます。




で、「蜀犬~」「呉牛~」と検索していたら、なんと歌を見つけた!



歌詞が…沁みる。

そう。こういう気分、なりますよ。
でもそれは自分が物知らぬ「蜀犬」だから、なんだよなぁ…多分。

音が、なんか切ない…。

ボカロ曲はあんま聞いたことなかったんですが、いいですね。

以上、「蜀犬吠日」と『草枕』プラスαでボカロ曲の話でした。